
心がふと揺れたとき、
言葉では癒せない痛みが、静かに胸を締めつけることがあります。
そんなとき――
香りが、そっと教えてくれることがあります。
評価せず、ただ包みこむ。
香りがくれる小さな安心を、やさしい文章に乗せて届けられたら……。
そんな願いを込めて、香りの処方箋を綴っています。
今日のテーマは、
「母の言葉と、香りの処方箋」です。
母の声が刺さった日、香りはただ、そばにいてくれた。
どんなに大人になっても、
母の言葉は、不思議と心の奥に届いてしまうものですね。
今日まで、何度もそういうことがありました。
「実の母親なのに、どうして……」
そう胸の奥でつぶやいた日もあります。
本当は、
「すごいね」
「あなたらしいね」
「よく頑張ってるね」
そんなふうに言ってもらえたら、
もう少しだけ、自信が持てたかもしれません。
少しだけ、
自分のことを誇らしく思えたかもしれないのに。
「何をしてるの?」と聞かれたあの日
母からそう尋ねられたとき、
私は、言葉に詰まってしまいました。
ただの質問のようでいて、
その奥にはこんな気配を感じたからです。
「それに意味はあるの?」
「時間の無駄なんじゃないの?」
「誰の役に立ってるの?」
そうやって測られているように感じて、
凍りついてしまったのです。
そういうことが重なるたびに、私は次第に母に対して、自分の心を閉じていきました。
そしていつしか、そばにいると緊張してしまう相手になっていたのです。
それでも、母と娘。
もうこれきり会わない、というわけにはいきません。
会えば、笑い合うことだってできます。
けれど、いつまた同じことが起こるかわかりません。
だから、そんなときには、お香の優しい香りで心にバリアを張り、静かに自分を守りたいと思います。
香りは、ただそこにたゆたい流れるだけでなく、私の心を外の世界の傷から守り、回復を早めてくれる大切なアイテムだから。
そんなときに使ってほしいお香
🌿 山田松香木店「うつろいいろ」シリーズ(12種)
目に見えない、でも確かにそこにある。
この香りたちは、何も語らずに、
ただそっと、あなたを包み込んでくれます。
【COLOR-1 はっぱいろ&うみいろ】
・フゼア:深みと渋みに上品な甘さを添えた香り
・マリン:潮風のような爽やかさ
【COLOR-2 ふじいろ&くさいろ】
・レザー:スモーキーで濃密な甘さ
・ハーバル:グリーンで清らかな香り
【COLOR-3 たけいろ&ももいろ】
・オリエンタルアンバー:異国情緒あふれる深い甘さ
・フローラル:華やかに咲き誇る花の香り
【COLOR-4 みずいろ&あまいろ】
・アクアティックムスク:水のせせらぎのような透明感
・グルマン:お菓子のような濃厚な甘さ
【COLOR-5 ときいろ&かなりあいろ】
・バルサミック:澄んだ甘さと神秘的な清涼感
・シプレー:酸味の奥に温もりを感じる香り
【COLOR-6 さくらいろ&よぞらいろ】
・パウダリームスク:おしろいのような懐かしさ
・スウィートアンバー:明るく包み込むような甘さ
香りが、そっと教えてくれること
言葉がうまく出てこないとき。
誰かに「測られている」ように感じたとき。
心がすり減ってしまいそうなとき。
香りは、ただそこにある。
あなたを責めず、評価せず、
静かに包んでくれる。
🌱「わかってもらえなくても、私は進む」
🌱「今はまだ見えなくても、私は育っている」
そんなふうに、
自分に向かって優しく語りかけてあげてください。
最後に、ひとこと
あなたがしていることは、
誰にも気づかれなくても、魂にとって必要な営みです。
その静かな営みは、
やがてあなた自身を癒し、
きっと誰かの光になっていくでしょう。
私は、あなたの歩みを知っています。
その“見えない努力”の尊さを、ちゃんと見ています。
今日も、香りがあなたのそばにありますように。